2021年4月27日
中国の不法な領海侵入に、超党派の上院議員11人が強く非難
超党派の上院議員11人は、西フィリピン海(南シナ海)のフィリピン領域で
”違法で、是認されていない領海侵入をしている中国”に対して
「この地域、また世界の平和や安全を脅かす行動だ」と強く非難する決議を取りまとめました。
上院のFranklin Drilon院内総務とRalph Recto副議長が率いる超党派の11人は、
上院内で、紛争海域での中国政府の行動を、
『可能な限り強い言葉で避難する』とした決議案を取りまとめました。
Franklin Drilon院内総務は、
「親密な外交関係や政治的繋がりでも、資金援助や寄付の約束でもない、
また、それを実行しているかしてないかでもない、
我々の領域に忍び寄る中国の覇権を受け入れる事は間違いだ。
どんなに気前の良い経済支援も、我々の決議を和らげることはできない。」
と話しています。
決議案N0.708 に署名した他の上院議員は
Nancy Binay議員、Leila de Lima議員、Richard Gordon議員、Risa Hontiveros議員、
Lito Lapid議員、Francis Pangilinan議員、Grace Poe議員、Joel Villanueva議員、
Bong Revilla議員です。
この決議は、EU(欧州連合)が、
”中国のインド太平洋地域での平和や安定を脅かす行動に対して避難する声明”
を発表した事に続いて実施されました。
11人の超党派議員は、南シナ海での中国の攻撃的な行動を、中国前政権までさかのぼって列挙し、
フィリピンの排他的経済水域内で、中国が建設したり埋め立てしている事は違法だ。
と強く非難しています。
「このような、確率された国際ルールを無視する図々しさは、
ルールを基礎にした国際秩序を揺るがすだけでなく、
フィリピン漁民の生活を奪ったり
サンゴ礁の破壊や海洋汚染など、責任を負えないダメージを引き起こし
南シナ海の軍事化が進む。」
と彼らは話しています。
Risa Hontiveros上院議員は、政府に対して、
「西フィリピン海(南シナ海)での、
中国漁船による違法な漁業活動による損失8000億ペソを
中国から回収する努力をするべきだ。」と強く要求し、
さらに、フィリピン大学海洋科学研究所のリポートを引用し
「西フィリピン海(南シナ海)での中国の埋め立て行動により、
フィリピンは、これまでに合計で2000億ペソを失っている。」
「中国から回収するお金は、国内のコロナ感染対策の大きな助けになる。」
と声を上げています。
フィリピンは、中国漁船の違法滞在のために
約6440億ペソ相当の漁業機会を失っていると言われています。
これらの非難に対して、Harry Roque報道官は、
「領土紛争の決議は時間がかかる。
現在は、海洋領域の請求に対しての協議はしているが、
領土主張は、まだ、協議に至っていない。」
との声明を発表しています。
Harry Roque報道官の声明に対して、
Teodoro Locsin Jr.外務大臣はジュリアンフェリペ礁(牛軛礁)を念頭において
「フィリピンは絶対にあきらめない」とツイッターで発信しました。
Twitterのなかで、
「フィリピンは、この論争を、軍の前哨基地を作るなど、他の目的に使えばいいと思う。
また、それは、今なら合点がいくと思う。
この領土問題は、我々の間で解決をしていくが、
その間、それらの島の所有者として、軍の前哨基地として使えばいい。」
「ただし、論争はフィリピンと中国の間の問題だ、
すくなくとも、相手がフィリピンの船を沈めるまでは。
万が一そのような事が発生すれば、
それは、アメリカとの相互防衛条約の適用範囲になる。」
と中国をけん制しています。