2021年4月30日

カルピオとデル・ロサリオの反撃

アントニオ・カルピオ前最高裁判事は、

「ドゥテルテ大統領は、2017年、中国がフィリピン領海のサンド礁を奪った時、何もしなかった。」

と反撃を始めた。

これは、ドゥテルテ大統領が、

「アキノ政権時、中国が、フィリピンの領海で、建造物を作ったときに、

 アントニオ・カルピオ前最高裁判事とアキノ政権時のロサリオ前外務大臣は

 何もしなかった。」

と発言した事への反論としてのコメントです。

カルピオ前最高裁判事は、

「サンド礁は、パグアサ島(Pag-asa island)から、たった2海里(3.7km)。

 中国のサンド礁占領は、ケソン市の3倍よりも大きい領海を失った。

 それでも、ドゥテルテ大統領は、

 『俺は、純粋に習主席を愛している』と言った。」

と、ドゥテルテ大統領を批判しました。

東フィリピン海(南シナ海)で占領されている領海の主権を取り返すべきだ

と主張しているカルピオ前最高裁判事は、

中国が、2012年に、スカボロー礁を占領した際に、行政機関ではないが、

フィリピン政府に対して、中国の不法占領を、

海洋法に関する国際連合条約訴えるべきだと進言した一人だった。

「仲裁裁判ではフィリピンが勝利したのに、政権が変わった時に、

 ドゥテルテ大統領が

 中国から220億ドルの資金援助や投資をしてもらう見返りに

 『仲裁判断は、わきに置いておく』と発言した。」

とも付け加えた。

さらに、

「ドゥテルテ大統領は、来年、大統領の任期を終えるが、

 現時点で、約束してもらった(220億ドルの)5%以下の資金援助と投資しかしてもらっていない。

 それでもなお、大統領は、我々の領海で、中国が漁業活動をする事を許している。」

と糾弾した。

「フィリピンは、中国漁民が、東フィリピン海のフィリピン領海で漁獲したGalunggong(背黒アジ)を

 輸入している。

 フィリピン国民は、まず第一に、何よりも国民を愛し、そして

 妥協をせずに、フィリピンの領海と主権を守れる大統領が必要だ。」

と訴えた。

カルピオ前最高裁判事は、

ドゥテルテ政権に対峙する民主主義連合を主導しています。

一方、カルピオ前最高裁判事と同様に、

ドゥテルテ大統領に非難されたロサリオ前外務大臣は、

「フィリピンと中国は、2012年にスカボロー礁から中国船を撤退させる事で合意しているが、

 中国は、ごまかして、合意を反故にした。」

「2013年にフィリピンが圧倒的な勝利を手にした仲裁裁判の前に、

 我々は、平和的に、そして強固な解決策を探るために、

 最善を尽くした。

 でも、ドゥテルテ大統領は、2016年の大統領選の勝利を喜ぶことに代わって、

 中国からの240億ドルの投資と協力の引き換えに、

 仲裁裁判の勝利を棚上げして、中国の習主席を抱きしめてしまった。

 でも、240億の投資と協力は、まだ実現していない。」

とカルピオ前最高裁判事と同じように、当時の経緯を説明し、ドゥテルテ大統領を非難した。

さらに、

「ドゥテルテ大統領は、フィリピンの法律に違反する形で、

 2019年に、習主席との間で、

 中国漁船が、東フィリピン海(南シナ海)での漁業活動を許す口約束をしてしまった。」

と暴露した。

数日前、ドゥテルテ大統領は、

中国との親密関係に影響がでるリスクを覚悟して、

東フィリピン海を航行中のフィリピン公船に対して、

”その場を離れるな!”と指示をしました。

「これは大きなテストだ。

 中国は、フィリピンに対して、この場を去れ。というが、

 私は今、フィリピン公船に言う。そこを離れるな。

 アメリカが助けてくれるかどうかに関係なく、

 アメリカに頼るのは止めよう。

 アメリカは助けてくれない。

 核戦争になっても、アメリカは介入すると思う?」

ドゥテルテ大統領は、週次のテレビインタビューでコメントしました。

そして

「我々は、東フィリピン海に関して、中国を満足させたいとは思わないし、

 フィリピンの排他的経済水域の領土、主権を繰り返し主張するしかない。」

「国連の誰もが、フィリピンのため、または中国のために戦争をしたいとは思わない。

 この件は、既にはっきりしている。結論がある。

 ただ、中国は、その結論に従いたくないんだ。」

「フィリピンといえば、

 仲裁裁判で喜ばしい結論がでている。

 でも、どうやって、東フィリピン海を現実的に取り戻すか。という点では、負けている。

 それが問題なんだ。」

「覚えているか?私が大統領になったとき、

 南シナ海は、既に中国に奪われていた。

 なぜなら、フィリピンはすでに撤退していて、何もアクションをしなかった。

 その時の大統領は誰だ?」

「今、あなた方が、私に何とかしろ。というなら、

 見てろ、見ててくれ。

 フィリピンの船がそこにいる。

 私は、中国に対して

 ・我々はトラブルになるのは避けたい

 ・我々は戦争はしたくない

 ただ、我々に対して“そこを去れ”とは言うな。

 もし、この問題がエスカレートして戦争になったら?

 間違いなく、俺は、カルピオとロサリオを、そこに送るよ。

 これは、彼らが始めた事だ。彼らが最初に、そこに行くべきだろう。」

 「前の政権は、

 スカボロー礁が孤立したとき、

 フィリピン海軍が、8隻の中国漁船を拿捕したけど、

 中国公船に囲まれたら、

 なんで、同盟国のアメリカに協力を要請しなかったんだ。

 お前らは、フィリピン海軍に「撤退しろ」といっただろう。

 おじけついたのか?」

とタガログ語で話した。

東フィリピン海(南シナ海)での、今後のフィリピンの動きは目が離せないです。

Sourced from Carpio, Del Rosario fire back at Duterte

 
 
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